
・夜間主コースの生活イメージ
・夜間主コースの大学に実際に入学した私の実体験
・国立大学夜間主コースを検討している方へのアドバイス情報
夜間主コースとは、社会人や勤労者など日中の通学ができない人向けに、
昼間とは別に夜間開講している学部コースのことを指します。
夜間大学(夜間学部、いわゆる大学2部と呼ばれるもの)も同様の趣旨なのですが、
夜間主コースは2部というくくりでなく、あくまで昼間と同じ学部の夜間コースというとらえ方なので、
履歴書等に夜間主コースと記載する必要もないことがメリットに上がります。
(後述しますが私は夜間主コースに通い学費を自身で負担したことを面接時のアピールポイントにしたので履歴書にも、夜間主コースと記載しました。)
今回は実際に地元の国立大学夜間主コースを卒業した私の実体験をもとに説明します。
私が在学していた大学の2012年から2016年の期間の情報ですが、
これから夜間主コースへ進もうと考えている方の参考になってくれれば幸いです。
高校卒業後にブラックよりの地元企業に就職、
4年間勤めた後に地元の国立大学夜間主コース経済学科へ入学し、
卒業後は関東のユーザー系IT企業へ就職。
本記事の目次
1.夜間主コースってどんなとこ?
・学生の年齢層はこんな感じ
夜間主コースは働きながら通う趣旨の学校なので、年配の方や現役学生より少し年上の方が多いという印象を持ってしまいがちですが、私の通った大学では、現役生40%、現役より少し年上40%、ご年配の方20%くらいの割合だったと記憶しています。
・授業の雰囲気はこんな感じ
一言でいえばまじめな雰囲気でした。
というのも、学びたいという意識が高い学生が多いのも夜間の特徴であり、
特にご年配の方や一度社会に出たけど大学生として学びたいという学生はまじめな方が多かったです。
もちろん不真面目な学生もいますが、夜間という時間帯(17時20分~21時)もあってか、
そもそも学校に来なかったりするパターンが多いので、
授業の妨げになるようなことはなかったです。
(これは昼間も同じかな・・・)
ちなみにですが、私の入学した大学では昼間の科目も制限はありますが履修することができました。
夜間と昼間で単位取得をがんばれば4年生時にだいぶ楽ができます。
私は4年生時は卒業単位は満たしていたので、就職活動にかなり時間を割くことができましたし、
ゼミ活動や卒業論文制作に集中することができました。
・学費についてはこんな感じ
私の入学した大学では昼間の学部の半額でした。
当時、国立大学は私立大学のだいたい半額くらいだったので、
国立大学夜間主コースは私立大学の4分の1の学費で済む計算になります。
実際に私も初年度は入学金等合わせて40万円ほどで、
翌年以降は年27万円ほどだったと記憶しています。
初年度 :(入学金14万+授業料年間27万)
2-4年時:授業料年間27万
---------------------------------------------------------
合計 :122万 → 昼間のコースだと倍の244万かかる計算
私が入学したのが2012年ですが、現在も同価格帯のようです。
もちろん大学によって学費は変わってきますが、
昼間より夜間のほうが学費がかなり安くなるというのが特徴です。
2.どんな学生生活が待っているのか?

私はブラックよりの会社から大学生になった身でしたので大学生活がとても楽しかったです。
社会人が学生時代に戻りたいなと言うことがありますが、まさにそれを具現化したような感覚でした。
夜間主コースではどんな学生生活を送ることができるのかについて、私の実体験をもとに紹介します。
・ゼミ活動
夜間主コースにもゼミ活動はあります。
昼間の学生より人生経験がある学生がゼミ内に混じるためか、色んな視点や研究談義が展開されていく雰囲気でした。
私の入学した大学では1、2年時のグループ研究活動のような科目については必修でしたが、
3,4年時のゼミ活動については必修科目ではなく、卒業論文ですら必修ではありませんでした。
昼間の学部ではゼミや卒業論文は必須のはずですから、社会人と学生を両立させられるよう配慮されています。
・サークル活動
夜間の学生はサークル活動ができないというイメージがありますが、そんなことはありませんでした。
あまりにも年の離れている場合では入りづらいかもしれませんが、そうでないのなら普通に入ることができます。
実際に昼間サークル活動をしている学生もそれなりにいましたし、夜間学生専用のサークルも存在してました。
ただ、注意点としまして夜間の授業があるため早めにサークルを抜けたり、そもそも会社勤めの方はサークル活動が不可能という事実はありました。
ちなみに私は、サークル活動にも昼間の授業履修にも支障が出ないよう、シフトを組んでアルバイトをしていましたので、サークル活動はかなり充実して行えました。
・仕事 アルバイト
夜間の学生は、私の見た限り3つのパターンがみられました。
パターン①:正社員として勤めながら学生をしているパターン
正社員として勤めながら大学に通うのは、会社側の理解と強力が必要です。
そのため、公務員や地元大企業の定年間近の方がこのパターンには多かったです。
また、正社員として勤めながらの学生は割合としては少数でした。
パターン②:アルバイトをしながら学生をしているパターン
このパターンが一番多いと思います。
夜間主コースは勤労しながら通うことが主旨ですが、
私の入学した大学では正社員である必要は無くアルバイトでもよいため、
入学後に勤労する現役学生や、勤め先からの協力は得られないため、退職してアルバイトをしながら、
学生を行うパターンが含まれます。
私の場合ですと、残業も多く土曜日出勤もほぼほぼ行っている会社であったため、
会社からの協力も不可能と考え、退職してから大学に入学しました。
パターン③:働かないで学生をしているパターン
このパターンはかなり少数でしたが実在します。
夜間主コースには定年を迎えた後に再度学びたいという学生も存在し、大学側もそのニーズに応えるべく、
一定の就労期間がある場合は、勤労をしながらでなくとも入学が可能となります。
ちなみに、入学条件の勤労についてですが、在学中に無職になったりすることあるかと思います。
安心してください、それによって大学を追い出されたりといったことはありません。
私も、大学3年時途中から卒業まではアルバイトもしていませんでした。
3.就活はどうなのか?
すでに職に就いている学生、定年後に入学した学生以外は、昼間の学生と同様に就職活動を行います。
夜間主コース入学を考えている受験生にとって、就職活動は昼間と比べて不利ではないのかと考えてしまうかと思います。
冒頭でも述べた通り、夜間大学と違い、学部に2部の記載もないので、
履歴書に書かなければ夜間主コースであることはばれません。
しかし、夜間主コースであることを前面に押し出して就職活動をした私自身の感想ですが、
夜間主コースだから昼間の学生より不利ということは感じませんでした。
一般的な昼間の学生と違った経歴なので、なぜ夜間主コースの学部に入学したのかや、
社会人としての経験があるなら、それを強みとして面接で伝えられるが合否のカギになると思います。
特に、卒業時の年齢が現役学生より高い学生はその部分で差をつけましょう。
私は、高校卒業後に地元企業に就職した後で大学に入学したので、
大学で学んでみたいと思った理由や学費を自分自身のお金で支払ったこと、
さらに会社員時代のエピソードも持っていたので、面接で話す内容には困りませんでした。
これは、入社後にも上司や同僚との話のネタとしても役立っています。
4.大学入試について
夜間主コースを検討されている方は大学入試の情報が少ないと感じているかと思います。
(大学入試の情報は昼間の学部がメインでなかなか見つからず、当時探すのに苦労しました。)
ちなみに当時私はどうしたかといいますと、入試方法については志望大学の公式ホームページを参考し、
受験対策や夜間主コースに通った学生の感想などは、
夜間主コースについて書かれているブログを参考にしていました。
追記:過去に使用した参考書を下記に記載しました!
残念ながら、当時見たブログは検索サイトから見つけることはできませんでした。
なので、このブログが夜間主コースを目指す方のモチベーションアップや、
受験の参考になればと思い書いています。
・過去問の入手方法
昼間の学部では赤本などで過去問を入手できますが、夜間大学の過去問は出回ってないかと思います。
当時、私は過去問はどうすればよいのかとネットで答えを探した結果、大学に直接行き入手できるということを知ることができました。
(大学のホームページにも回覧可能の記載がありました)
おそらく他の大学も同様に過去問は大学に問い合わせれば入手への活路が見いだせると思いますので入試課へ連絡してみましょう。
(コピーの有無についても確認しましょう。)
注意点としては、大学側の個別試験は回答を公開していない場合があります。
私の場合も、問題用紙は入手できましたが回答については入手できませんでした。
ただ、夜間の入試は面接と小論文というケースが多いので、現役生なら学校の先生、社会人なら同僚や先輩などに添削や面接練習をお願いすることでカバーできるかと思います。
ほかにも、入試向けの小論文や面接の本もありますので、そちらも参考にしましょう。
(私は、社会人向けの大学、大学院入試の本があったのでそれを参考にしました)
・受験勉強方法
過去問を入試後は過去問を眺めこういう問題が出ることを把握しました。
(私の入学した大学の出題科目は小論文ですが、前半部分は現代文のような問題も出題されていました。)
その後、購入した社会人向け入試用の小論文の参考書を使い、
記載されている例題を解いたりして勉強を進めました。
作成した小論文や面接練習については当時勤めていた会社の先輩に協力していただいてました。
追記:私が当時使用した参考書です。
改訂版が出ていたのでそちらを記載。
ちなみに、実際に私が入試面接で感じたこととしては、「①この人は学ぶ意思があるのか」という点と、
「②本当に通いきれるのか」という点を意識した面接であったと記憶しています。
②については、特に正社員の場合は会社からの協力や、立地などから通学は可能かどうかについて聞かれます。
面接練習の際はその部分を意識して練習することをお勧めします。
あとは、現役学生の場合ですと、なぜ昼間の学部ではないのかという点については聞かれると思います。
5.最後に
最後に私自身が夜間主コースに進学したことに後悔は無いと感じています。
高卒で就職した地元企業よりも、ずっと労働条件も良いところに就職できましたし、
今も付き合いのある友人たちも見つけることができました。
現役時代に大学受験を考え本気で大学受験に挑んでいたらどんな人生だったのかというのを考えたりすることもありますが、それでも今の人生はいいところに着地できたと感じています。
現在、大学に進学したいけど経済的に厳しい方や、私のように、一度就職したけれども大学進学を望んでいる方には、おすすめできる選択肢の一つだと思います。
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